心と技が、味をつくる
160年にわたって培われてきた伝統 その伝統を守っていきたい

肉の店鳥吉六代目の田地野です。

鳥吉は160年間続いた由緒ある肉の店です。その歴史の中で、さまざまなことがありましたが、先代から言われた「いいものを適正価格で販売する商売をしろ」という言葉を胸に、商売を続けてまいりました。O-157や狂牛病といった逆風の中で、レストランの閉店という経験もありましたが、ここまでこの商売を続けてくれたのは、鳥吉の味を愛してくださる地域の皆さまのおかげです。誠にありがとうございます。

鳥吉は、今後も「いい肉を適正価格で販売する」ということを念頭に、商売を行ってまいりますが、今後は少しずつ変化をしていこうと考えています。より多くの方に鳥吉の味を知ってもらいたい。

そのために私たちも変化しなければなりません。これまでに培ってきた味を落とすことなく、より多くの人に商品を届けるためにどうすればいいか。それを七代目と一緒に考えているところです。

鳥吉は「肉の店」ですが、私たちが真の意味で売っているものは心と技です。たとえば同じA5ランクの肉でも、それを切る者の技術によって味が変わります。仕入れから販売までのすべての工程にこだわった肉の味をお届けしたい。心と技が、味をつくる。その気持ちを忘れずに日々、精進していきたいと考えています。益々のご愛顧、何とぞよろしくお願いいたします。

 

肉の店 鳥吉

六代目  田地野啓市

創業七代目の田地野太市です。

私は、生まれたときから父の背中を見て育ったので、この店を継ぐことは早い段階から決めていました。短大を卒業後、群馬の食肉学校に入学し1年間学び、その後大手の牛肉の卸会社で研修させてもらった後、鳥吉に戻ってきました。

戻ってきて感じたことは、何よりも、鳥吉の肉や総菜といった商品は他の店に比べてまったくひけを取らないということでした。いえ…ひけを取らないどころか、他の店よりもおいしいと心から感じました。その味こそが、これまでの歴史の中で伝えられてきたことであり、父と一緒に守り続けなければならないものだと考えています。

これまでに培ってきた心と技、そして味をより多くの人に知っていただきたいと今は考えています。

変えなくてはいけないこと、変わってはいけないこと、この店にはそういったことがたくさんあります。味を守りながら、その味をいかに知っていただくか。これから、自分なりにじっくりと考えながら、「若い鳥吉」を見せていければと思っています。今後の益々のご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

 

肉の店 鳥吉

七代目 田地野太市